人間は、自然に反した生き方や生活をしていると、かならず悩みが出てくるものです。
「夜ほとんど眠れない」
「人とうまくつきあえない」
「いつもイライラする」
「毎日さびしい思いに襲われる」
「将来のことを考えると、不安でたまらない」
……あなたは、そんな悩みをいだいていませんか。それは、心が自分本位の欲望にとらわれていることが原因です。
そのように悩みに直面している人というのは、ひとことでいえば、物欲や愛欲、名誉欲などに振り回され、財産や地位や成功などに執着しているものです。
このようなとらわれに心を縛られているままでは、体の気のめぐりも悪くなって、不調が出ます。すると、ますます気持ちがふさぐという、悪循環におちいってしまうのです。
そのとらわれこそが、「我執」です。
「我執」については、おいおい説明していきますが、タオの教えでは、我執とは、自分中心の狭い考え方にとらわれていることを言います。
我執にとらわれない、明るく楽しく、無為自然な生き方である「道」、すなわちタオの考え方こそが、すべての人にとって、とても大切なことなのです。
タオの教え、タオの思想のことを、タオイズム(TAOISM/老荘思想、老荘の道)といいます。あなたが、その生き方について理解し、それを根本において人生を送るようになっていくと、毎日の生活で心に積み重なっている疲れや、知らず知らずのうちに抑えつけている感情などが、やさしく解きほぐされていきます。